3位:『アナと雪の女王』(2014年)

遅ればせながら、アニメ映画ランキングを作成するなら観ておかなければと足を運んだ次第である。巷では映画館で「レリゴー」と皆が歌うなどという話が出ていたのでびくびくしていたが、ゾッとするような合唱は見かけず、杞憂に終わった。
感想として、ランキング順位でお分かりかと思うが、よかった。
華やかな王族に生まれながら、自分らしさを発揮できないアナとエルサの“変わりたい”と殻を破る姿、愛する人のためなら自分が溶けてしまうことも厭わないオラフ。大人の心に響く言葉が各所に出てくる。何よりよかったのは、アナを救ったのが王子ではなくエルサであったこと。プリンセスストーリーの定番が破られている。
キャラクター達のキャッチーさとシンプルなストーリーは子供に夢を与え、プラスアルファのメッセージが大人の心に希望を与えて鑑賞者の年齢層をうまく広げている。
世界中でヒットになるには、さすがそれだけの力があると感心させられた。
2位:『時をかける少女』(2006年)

女子高生が過去にタイムリープするストーリーの本作は、細田守監督がオリジナル長編アニメ映画を手がけた最初の作品である。日本のアニメ映画はジブリだけではないぞと知らしめ、国内のみならず海外でも高い評価を受けた。
やり直しがきくならいつに戻る?高校生に戻って勉強するだとか、小学生からやり直したいだとか、そんな会話をしたことが皆一度くらいはあるのではないだろうか。そんな能力を持っても、理想通りに進められない歯がゆさが描かれた作品である。
アニメ映画としてはあまり多くないバッドエンドで終わる。しかし、観終わったあとに感じるのは切なさと爽やかさなのである。「夏+高校生=青春!」という甘酸っぱさが胸にぐっとくる。
細田監督はジブリ入社を希望し面接したものの、「ジブリに入るとかえって君の才能を削ぐことになる」と宮崎監督の独断で不採用になったという実力の持ち主。2014年4月、「いよいよ現場が始まります」とツイートしていることから、新作か?!と期待されている。
1位:『天空の城ラピュタ』(1986年)

時を経ても支持者の多い作品である。原作ありの作品も多い中、宮崎監督完全オリジナルによる初めての作品が本作である。
架空の世界でのパズーとシータの冒険劇である。ストーリーの面白さはもちろんだが、個性的なキャラクター達それぞれにファンも多い。シータが空から落ちてくるシーンや、洞窟の中で飛行石が光るシーンなどが神秘的で好奇心をくすぐる。
地上波でテレビ放送される度に、2ちゃんねる実況版で「バルス」に合わせた書き込みが殺到しサーバーダウン、twitterでも1秒間のツイート数世界記録を大幅に更新し「バルス投稿の自粛願い」が正式発令されるなどの事態を巻き起こしている。
ファンにとってテレビ放送の「バルス」シーンはお祭りなのである。「バルス」の持つ意味はトルコ語で「平和」。悪意のある言葉が殺到するよりいいではないかと思ってしまうのはファンである筆者の贔屓目であろうか。
公開から28年、本当に素晴らしい作品はいつまでも色褪せない。