映画好き認定!邦画でおすすめの恋愛映画ランキングトップ20!

3位:『ジョゼと虎と魚たち』(2003年)

田辺聖子の短編小説を映画化した作品。足が悪くほとんど外出したことがないジョゼと、雀荘でアルバイトをしている恒夫の純愛を描いた作品。

大きな乳母車を押すお婆さん、乳母車に乗せられたジョゼはちょっと異様で、ジョゼとお婆さんの話す関西弁がさらに独特の雰囲気を出している。

ジョゼと恒夫は、恋をする。夢中になって、いつも一緒にいるようになる。そのうちに、盲目の時間は過ぎて、ジョゼの要求や現実が恒夫に重くのしかかるようになる。

若いうちは、人の人生を背負うなど現実的に考えられない。気楽に生きたい。恒夫が結局、ジョゼとの別離を選んだことは理解できる。

本作が醸しだしている、ロマンチックさが微塵もない庶民的な空気が逆に胸を締め付ける。

公開から年数を経ても人気が高い、おすすめできる作品である。

2位:『Love Letter』(1995年)

婚約者の三回忌の帰り道、彼の卒業アルバムを見せてもらう。その中にあった、彼が昔住んでいたという小樽の住所に手紙を出すと、来るはずのない返事が届く。送り主はかつて彼の同級生で、彼と同姓同名の藤井樹という女性であった。そこからふたりの奇妙な文通がはじまり、博子に出会う前の彼を知っていく。

監督は岩井俊二、中山美穂が博子と樹の一人二役を演じた作品。

これはもしかすると、昭和の空気を知っている人間でなければ分からない作品かもしれない。文通の良さはもう、昭和の人しか味わったことがないかもしれないからである。

学生の頃を思い出し懐かしさに浸りながら、博子の歩み出す一歩に感動し、知らなかった事実を知る樹とともに涙するのでは。

冬の冷たい景色で送られる物語だが、暖炉のような温かさを持った作品である。

1位:『いま、会いにゆきます』(2004年)

本作の後に結婚離婚し世間を騒がせた竹内結子と中村獅童が夫婦役を演じ、日本国内に留まらずアジア圏でも多数リメイクされた大ヒット作である。

脳の奇病に冒されている秋穂巧は、息子の佑司とふたりで暮らしている。1年前に妻の澪は亡くなっているのだが、「1年経ったら雨の季節に戻ってくるから」と言い残していた。それから1年後の雨の季節、言葉通り澪は戻ってきたのだが、過去の記憶を失っていた。驚きながらも再会を喜び、三人の生活が再び始まる。

亡くした人と再会できるという夢のような出来事が起きても、夢の時間は続かない。また別れの時は来る。

会いたい時に生きていれば、どれだけ遠くであっても無理をすれば会いに行くことができる。会いたい人がもうどこにもいない寂しさは、耐えがたい。それでも、生きていれば誰もが経験すること。だから、多くの人の心に届いたのであろう。

ハンカチもしくはタオル必須の本作。久しぶりに観てもよかった。公開時以来観ていない人も再視聴をおすすめしたい。