人気のおすすめ落語
落語というと、難しくてわかりにくいと敬遠される方もあるだろうが、もともと大衆芸能として始まったものなので初心者向きの落語なら手軽に楽しめるものが多い。
今回は初心者も楽しめる!落語歴代10選をピックアップしてみた。
面白い話はもちろん、ブラックユーモアや怪談めいた話から子供にも分かりやすい落語まで、あらすじも含めて紹介している。
興味を持たれた方は、CDもたくさん出ているので名人の落語を堪能して欲しい。
10位:犬が人間になった落語『元犬』
元犬は江戸期から前座でよく演じてきたスタンダードな噺で、落語初心者におすすめである。
あらすじは、白犬が人間になりたいと八幡さまに願掛けしていたところ、祈りが通じて毛が抜けて人間になれた。
裸で困っていたところを、仕事を世話してくれる口入れ屋の上総家総兵衛に助けられるが、元犬の癖がなかなか抜けず、すぐ這って歩こうとするし、尻尾があるつもりで尻を振るなど奇行を連発。
なんとか世話好きの隠居に紹介してもらうが、ここでもすぐに横倒しになって閉口される。まだ、人間になりきれていない元犬のおかしな様子が笑いを誘う。
五代目の古今亭志ん生の十八番であった。
9位:古典落語の定番『寝床』
「寝床」は義太夫が題材になった落語である。義太夫とは浄瑠璃の一種で三味線を伴奏に語る芸で、文楽と一緒に演じられることが多い。
あらすじは、商家の旦那がヘタな義太夫を、長屋の住人や奉公人に聞かせようと一席設けるのだが、皆なにかと理由をつけて断る。
すると長屋の住人にはすぐに出て行け、奉公人には暇を出すと言い出す。
渋々集まったみんなは、我慢して旦那の義太夫はを聞き始めるがそのうち皆寝てしまう。
ひとり起きて泣いている小僧に訳を尋ねると、今まで自分が義太夫を語っていた場所が自分の寝床だ。つまり寝床がないと言って泣いていたというオチ。
東西の歴代落語家に長く語られてきた落語である。
8位:桂米朝の十八番の落語『茶金(はてなの茶碗)』
「茶金(はてなの茶碗)」は安茶碗をめぐる一騒動で、ひょうたんからコマという落語。
あらすじは、京都の茶道具商、金兵衛(通称:茶金)は茶碗の目利きとして知られた人物。
ある日、茶金が境内の茶店で渋茶を飲みながら、茶碗に目をとめ首を傾げていた。それを見た行商人の油屋が三両で茶碗を譲り受ける。
茶金に茶碗の鑑定を申し入れると「ヒビもないのに茶がもるので不思議に思っただけだ」と言われる。
しかし、珍しい茶碗だと宮中の天皇にまで噂が広まり、「波天奈」の茶碗として最後には大阪の豪商に千両で買われることになる。
桂米朝の十八番。関西では長く親しまれている落語である。
7位:死神
古典落語の「死神」の元ネタはイタリアやドイツにあるそうだ。
借金で首の回らなくなった男が、死のうとしていると死神がでてきて、医者になれという。
死神の言うとおりにして病人を助けると評判を呼び、豪商の伊勢から依頼が来るが死神は助からないという。
男は、大金欲しさに一計を案じて伊勢屋を助けるが、死神を怒らせてしまって自分が死ぬハメになる。六代目円生、五代目古今亭今輔が得意とした落語である。