オリンピックでドーピング
ドーピングとは運動能力を高めるための薬物だ。
オリンピックを始め、様々な競技やスポーツで禁止となっているのであなたもご存知のことだろう。
意外にもドーピングの歴史は古く、1865年アムステル運河水泳競技大会でドーピングを使用した選手がいるという記録が残っており、昔から人間の考えは変わっていないことに気付かされる。
オリンピックに関して言えば、1968年のグルノーブル冬季オリンピックとメキシコオリンピックから正式にドーピング検査が実施されるようになったそうだ。
現在もドーピングは後を絶たない。オリンピックや世界陸上、また野球やテニスなど様々なスポーツで違反をしている薬物使用者たち。
なぜ実力で戦おうとしないのか。そこには国の名誉のために戦う者にしか分からない事情が隠されているのかもしれない。
ちなみに、市販薬の中にもドーピングの対象となってしまう薬物が含まれることがある。うっかり風薬を飲んで陽性になってしまっては後悔しか残らないだろう。
そんなスポーツ選手にとって悪魔のような存在であるドーピングだが、今回はそのドーピングでメダルを剥奪されたオリンピック選手をランキング形式でご紹介したいと思う。
ランキングの中には有名な選手も入っているので是非チェックしてほしい。
5位:ワジム・デビャトフスキーとイワン・チホン

北京オリンピックの男子ハンマー投げで、2位と3位になったベラルーシ代表のワジム・デビャトフスキーとイワン・チホンをドーピング違反で失格とし、メダルを剥奪した。
結果的に、当初5位だった日本代表の室伏広治選手が繰り上げで銅メダルを獲得する形となったのだ。
この件で室伏広治選手は記者会見を開き、「非常に名誉で非常に残念」という言葉を残している。メダルを獲ったことは名誉だが、男子ハンマー投げで薬物使用者が出たことには残念な気持ちという意味だ。
さて、普通の話ならばここで終わるところだが、この騒動にはまだまだ続きがある。
ドーピングで失格となったこの2人、スポーツ仲裁裁判所に不服を申し立て提訴したのだ。そして、なんとその提訴を裁判所が認めるという裁定が下されてしまったのだ。
これは異例な出来事であり、結果的に2人は銀メダルと銅メダルを獲得し、なんと室伏広治選手の銅メダルはなくなってしまうという前代未聞の結末となった。
4位:リック・デモント

ミュンヘンオリンピックの競泳400m自由形で、優勝したアメリカ代表のリック・デモントをドーピング違反で失格とし、メダルを剥奪した。
この選手、ドーピング検査による金メダル剥奪の第1号選手なのだ。
ドーピング検査で引っかかったのは興奮剤のエフェドリンというもの。しかしリック・デモントは喘息の持病があり、チームドクターらがエフェドリンを喘息治療で使うことの正当性を訴えたのだが却下された。