おすすめの戦争小説
第二次世界大戦が終戦し、70年周年を迎える。
戦争がとても遠いもののように感じられる世代が増え、戦争経験者は減ってきている。
世代交代は当然のことで、戦争を経験していないのは幸せなことだろう。しかし、私達は無関係とは言えない。
正しく戦争を知ることはとても大事である。
戦争は今もなおたくさんの問題を残しているからであり、さらに日本は常に狙われているからだ。
集団的自衛権をはじめ、今日本は大きく変化しようとしている。
先日発表された防衛予算は、世界でもかなり低レベルの規模だということをご存じだろうか?
狙われた土地でありながら、とんでもなく呑気な日本。
70年というひとつの節目をきっかけに真の日本を知ることは、恐らくマイナスになることはないだろう。
今回は戦後70周年ということで、感動のおすすめ戦争小説をランキング形式でご紹介していく。
読みやすくて面白いものを揃え、これまで戦争小説を読んだことがない人にも手に取ってもらいやすいものを選んでいる。
感動というと少し表現が違うようにも感じるが心打たれるという意味においては感動でまちがいないだろう。
こんな話題に熱くなる女子ってどうよ!と自分で思いつつも、書かせて頂こうと思う。
5位:『父と暮らせば』井上ひさし

女性に読みやすい戦争小説のひとつとしておすすめしたいのが本作品である。
戦地で戦う男性を描いた作品が多い中、遺された女性を描いているので女性にもとても受付けやすいのではないかと思う。
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」
自分だけ生き残った事を負い目に感じている美津江は、そうして自らを幸せから遠ざけようとする。
広島で暮らす美津江の前に、原爆で死亡したはずの父の幻が現れる。
時には昔のように何気ない会話をし、共に笑い合い、そして娘を想って助言を与える。
何と切ない話だろう。
幸せは誰であってもあればあるほど良いと思うものだが、同じ時代に同じ状況であればそう感じるのだろうか。
友人の祖母は夫を戦争で亡くし、女手ひとつで息子と娘を育て上げ、生涯未亡人を貫いた。
友人の母が「お母ちゃん再婚せんの?」と聞いたら、「お父ちゃんが戦争で死んで、私だけが幸せになるわけにいかん」と答えたそうだ。
その話を聞いた時に、この作品と重ねずにはいられなかった。
戦地そのものの様子や、戦闘機の詳しい話よりも身近に感じられる作品を読みたい人にはいちおしの作品である。